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初めての家庭用3Dプリンタ選び。要点だけまとめたので見てほしい

初めての家庭用3Dプリンタ選び。要点だけまとめたので見てほしい

友人から3Dプリンタを買いたいと相談を受けたので、初心者向けに選び方の要点をまとめてみました。3Dプリンタ歴2年のまだまだ素人だけど、それなりに使ってきて少しずつ知見も増えてきたと思うから、よかったら参考にしてみてね。

目次

まずは「目的」を決めましょ

3Dプリンタで何を作りたいかを考えましょ。

趣味で使う分には、恐らく次の二つが目的なんだろうけど、3Dプリンタの方式によって、それぞれに向いているものがある。

  • FDM方式(熱溶解積層):日用品、雑貨などの実用的なもの
  • 光造形方式:フィギュアやアート作品など高精細さが必要なもの

一般的にイメージする樹脂を積み重ねて印刷していくイメージの3Dプリンタは、FDM方式。高精細さ(いわゆる解像度)については、光造形方式の方が圧倒的に良いけど、薬品を使ったり洗い流したりと手間はかかる。光造形方式はまだ使ったことがないので、説明はパス。

以降は、FDM方式3Dプリンタに絞って、選び方のポイントを説明するね。

選ぶポイントは大きく3つ

材料(フィラメント)は何を使う?

一般的に3Dプリンタでは、「フィラメント」と呼ばれるプラスチックの細い紐のようなものが材料になる。これを溶かして液状になったものを、プラスチックのペンにようにして下から上に向かって積み重ねて立体を作っていく、といったイメージ。

そして、このフィラメントには特性の違いでいろいろな種類がある。入手しやすく一般的によく使われるフィラメントとしては、

  • PLA(硬い、色の選択肢が豊富、耐熱60℃程、安価)
  • PET/PETG(硬く弱柔軟性がある、耐熱70℃程、安価)
  • TPU(ゴムのような柔軟性、安価)

身の回りの日用品やちょっとしたパーツなどを作るだけなら、正直この辺りのフィラメントで十分。非常に扱いやすく、高額な3Dプリンタや付随装備もいらない。

それに安価で買えるから、いろいろ遊ぶにはちょうど良い。サードパーティ製だと大体1500円~2500円/kg辺りが相場で、メーカー純正品だともっと高かったりするけど、趣味で遊ぶ程度ならサードパーティで十分。

  • ABS(硬く柔軟性もある、耐熱85℃程、高価)
  • ポリカーボネート(硬い、耐熱100℃以上、高価)
  • ナイロン(硬くより柔軟性もある、耐熱100℃程、高価)

この辺り工業用のエンジニアリングプラスチックも視野に入れるなら、印刷のハードルはぐっと上がる。箱型の筐体(エンクロージャー有)で印刷台を密閉できる高価な3Dプリンタやフィラメントをしっかり乾燥させるためにフィラメントドライヤーは必須。ハードルは高いけど、ちゃんと準備すれば印刷できないことはないので、あとは本当にそれだけの性能が必要かどうか次第。

フィラメントの価格はピンキリで、3000円/kgくらいから高いものだと1万円/kgくらいのもある。

あとは、カーボンやガラス繊維入りで更に強度を高めた特殊なフィラメントとかもあるけど、3Dプリンタのオプションパーツ次第で印刷できたりするから、最初はあまり考えなくてもいいかな。

造形サイズはどれくらい必要?

ある程度作るものの大きさを決めておくことは重要。大体どこの3Dプリンタメーカーも、小中大サイズのラインナップがあるから、自分が作りたいものの大きさに応じて選ぶと良い。

  • 小サイズ(180mm角):手のひらサイズ以下のもの
  • 中サイズ(250mm角):一般的なB5ノートサイズくらいのもの
  • 大サイズ(300mm角~):人の頭のサイズ程度以上のもの

大は小を兼ねるけど、あとは設置場所のスペースと予算がどこまで許せるか次第。

例えば、最大325mmサイズを印刷できるQidi Tech X-Max3の筐体の大きさにもなると、大体600*600mmくらいのスペースが必要になって、ものすごく場所を取る。

大サイズでも比較的コンパクトなものも有ったり、結局はメーカーや機種によるから、設置予定場所のスペースも合わせてチェックしたほうがいいね。

過去にレビューしてるよ。

どうしても造形サイズより大きく印刷するための工夫として、モデルの向きを印刷ステージの対角にして大きさを稼いだり、分割して印刷して後から接着剤とかでくっつけるとかもあり。だから目的がなければ無理して大きいものを選ばなくてもいいかな。

逆に目的があって設置スペースもクリアできるなら、大きいプリンタを選ぶに越したことはない。モデル設計の幅も広がるしね。

マルチカラー印刷は必要?

基本3Dプリンタは、「1モデルを1フィラメントで印刷」するけど、一部のプリンタでは「1モデルを複数フィラメントで印刷」ができる『マルチカラーシステムオプション』が使えるものがある。

このオプションは、マルチカラーのシステムに複数のフィラメントを装備しておくと印刷中に自動でフィラメントを切り替えてくれるスグレモノ。

例えば、前作ったこんなやつとかも作れちゃう。マルチカラー印刷ができないと、基本は一色だけの印刷になってしまうからね。

違うフィラメントに切り替えて印刷するには手動でフィラメントの交換が普通だけど、地味にこの作業が面倒だったり。でもこのオプションがあれば、ソフト上でフィラメントを選ぶだけで自動で交換してくれるから、マルチカラー印刷をしなくても超便利に使えるオプション。

大体は1システムで4つのフィラメントを装着できるものが多く、プリンタによっては複数のシステムを接続することで、24色マルチカラー印刷ができるものもあったりする。

使うか分からなくても、最初からマルチカラー対応の3Dプリンタを選んでおけば後からいつでも追加できる。いずれ買うと分かっていれば、最初からオプションセット品を選んだ方が安いのでお得。

おすすめの3Dプリンタメーカーは?

おすすめできるほど色んな機種は触っていないから、実際に私が使ったことがあるものを中心に言うと、

  • Bambu Lab:「扱いやすさ」「印刷品質」「価格」の総合的に個人的No.1
  • Qidi Tech:エンプラ印刷が得意。やや玄人向けだけど、コスパめちゃ高い。
  • Creality:触ったことないけど、使いやすそう。ユーザーはかなり多い。機種もめちゃ多い。

この3つ共通して言えるのは、「製品の作りやプリント品質がとても良い」「ややこしい設定も少なく簡単に扱える」「ユーザーが多いから、トラブルやTIPSも調べやすい」。操作になれるとどれも大差はないと思う。

この他にも有名なメーカーとしては、AnyCubic、Elegoo、FLASHFORGE、Prusaなど。3Dプリンタの老舗ばかりで、ユーザーも多いみたいだけど、最初の1台として積極的に選ばなくてもいいかな。

3Dプリンタメーカーの各主力商品の価格目安

各メーカーの3Dプリンタの価格帯をざっくりまとめてみたよ。あくまでも目安だから、相場観を掴むための参考にしてみて。

また、3Dプリンタて結構頻繁にセールしていたりするので、安くなったタイミングで買うべし。

※参考価格は、執筆時現在の公式サイトでの販売価格(セール含む)。
※アップデートにより対応したりするけど、あくまで現時点での対応状況。

サイズエンプラマルチカラー
大:300*300mm以上
中:250*250mm程度
小:200*200mm以下
〇:エンクロージャー有
△:スペック上対応
×:非推奨
〇:対応
△:アップデートで対応
×:非対応

Bambu Lab

スクロールできます
機種名位置づけ造形サイズエンプラマルチカラー参考価格マルチカラー込
X1C(廃盤)フラグシップ
P1Sミドル¥109,000¥140,000
A1エントリー¥58,800¥79,800
A1 miniエントリー¥32,800¥69,800

Qidi Tech

スクロールできます
機種名位置づけ造形サイズエンプラマルチカラー参考価格マルチカラー込
X-Max3フラグシップ×¥89,999
Plus4ミドル¥110,199
Q2フラグシップ¥72,999¥93,999
Q1 Proフラグシップ×¥59,999

Creality

スクロールできます
機種名位置づけ造形サイズエンプラマルチカラー参考価格マルチカラー込
K2 Plusフラグシップ¥173,500¥203,499
K2 Proフラグシップ¥136,000¥153,000
K1 Maxフラグシップ¥151,999
Ender-5 Maxミドル×¥129,000
Ender-3 V3 Plusミドル¥55,000
K1Cフラグシップ¥89,999
K1ミドル¥60,000
K1SEエントリー¥45,000
Hiミドル¥47,000¥66,500
Ender-3 V3ミドル¥41,000
Ender-3 V3 KEミドル×¥46,999
Ender-3 V3 SEエントリー××¥31,999

筐体でオープンフレームと箱型形状は何が違うの?

3Dプリンタを色々見てもらうと、見た目的に大きく二つのタイプがある。

  • フレーム構造でオープン形状の3Dプリンタ
  • 箱型で密閉されている3Dプリンタ

構造としての違いは、簡単に言うと「全面が壁に覆われているか、いないか」だけの違い、中身は基本同じ。(ちなみに、箱のことをエンクロージャーという)

壁に覆われていると何がいいのかというと、印刷中に熱が逃げにくいので収縮の激しいフィラメント(例えばABSとか)の印刷に有利。というか、必須。さらに高機能なものだと、エンクロージャー内にヒーターが入っていて、温度を一定に保つ設定ができたりするから、印刷が非常に安定する。

それ以外にも、異臭ガスの放出を抑えたり、騒音を抑えられたりするメリットもあるね。

一方デメリットもあって、箱内が狭いからメンテナンスの作業性が悪くなってしまう。ノズル詰まりを直したり、パーツを交換するときも、狭いとやりづらくてイライラする。

サードパーティ製の後付けエンクロージャーなんかもあるので、最初からエンプラの印刷を考えていないなら、比較的価格の安いオープン型でもいいかな。

  • 箱型がおすすめ
    • ABSなどのエンプラを印刷する場合は、箱型必須!
    • 匂い、騒音を抑えたい
  • オープン型がおすすめ
    • エンプラは印刷する予定がない
    • 価格重視

激安3Dプリンタはアリ?

調べてもらうと、1万円台で買える激安の3Dプリンタとかも結構あるけど、「最初だからとりあえず安いものでいい」と選んでしまうのはオススメしない。結局買っても印刷が遅かったり使い勝手が悪かったりと、使わなくなってしまうのがオチ。

どうしても予算を気にするのであれば、小サイズだけどBambu Lab A1 miniであれば、セール時に3万円を切る価格で買えるから、激安プリンタを選ぶよりも遥かにオススメ。

まとめ:とりあえずBambu Lab買っとけ

「予算そこそこで、身の回りの雑貨など、実用的なものを作ってみたい」という漠然とした目的で、とりあえず1台使ってみたいということなら、Bambu Lab A1(できればマルチカラーオプションセット)がおすすめ。というのも、私の今のメイン構成がそれだから。

エンプラの印刷はできないけど、中サイズまで印刷できて、マルチカラーにも対応していて、ソフトウェアも非常に使いやすくて、十分楽しめると思うよ。

あとは言ったように、

  • 材料(フィラメント)は何を使う?
  • 造形サイズはどのくらい必要?→設置スペースも合わせてチェック!
  • マルチカラー印刷は必要?→後から追加でもOK

を決めてもらえば、おのずと候補が見つかるはず!グッドラック!

あと最後に。もし少しでも役に立ったのならば、ページ内のリンクから買ってもらえるとウレシス。

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