【QooCam EGO レビュー】3D撮影と視聴が一体化したポケットカメラ
特殊なメガネをかけると、写真や映像が飛び出してくるような3D体験。
小さいころに連れて行ってもらった遊園地でのワクワク体験は、臨場感があってすごく楽しかった思い出があります。
そんな3D体験を身近に味わえるカメラ QooCam EGOを紹介します。
まるでアクションカメラのようなコンパクトなカメラ QooCam EGOは、3D写真・映像の撮影、視聴、共有が1台で完結できる、まさに新しいコンセプトのカメラ。
普段からスマホや一眼カメラで子供との日常を撮影しているワタクシがQooCam EGOを実際に使ってみた感想をレビューしていきます。
- 3Dの撮影から視聴、そして共有までを1台で完結できるユニークなカメラ
- 軽量コンパクトでどこにでも持っていける
- 美しい解像度で立体感がある3D映像を楽しめる
- 質感が高い
- タッチディスプレイの反応もスムーズ
- 電源投入後から撮影まで少し長い
- ディスプレイがやや小さい
- ボディに指紋や油が目立ちやすい
- バッテリー持ち
手軽に3Dメディアが楽しめるカメラ:QooCam EGO
QooCam EGOの特徴
QooCam(クーカム)は、360度カメラやバーチャルリアリティ(VR)関連の製品を開発・製造しているKandao(カンダオ)のコンシューマー向けカメラ。
超高画素8Kで360度撮影ができるQooCam 8Kやスマホに直接接続できるカメラ QooCam Fun、その他AI搭載のwebカメラなど、幅広い製品ラインナップがあります。
QooCam EGO(クーカム イゴー)は、手のひらの大きさ程度のカメラで3D写真や動画の「撮影」「視聴」そして「共有」まで1台で行える画期的なカメラです。
- 「撮影、視聴、編集、共有」機能が統合された革新的な3Dカメラ
- 着脱式マグネット3Dビューワ付属で、どこでも3D立体視を楽しめる
- 両眼で3840×1080、最大60fpsのなめらかで美しい映像
- ディスプレイの画素密度は847ppi(iPhone13の2倍)
- ビューワと合わせても275gと軽量
QooCam EGOの基本情報
レンズ | F1.8 |
センサー | 1/2インチ |
解像度(静止画) | 4000 x 3000(単眼) 8000 x 3000(両眼) |
解像度(動画) | 1920 x 1080@60/30 fps(単眼) 3840*1080@60/30 fps(立体視) |
ストレージ | microSDカード(最大256GB) |
無線 | WIFI5 |
バッテリー | 1,340mAh |
マイク | 2基(ステレオ) |
端子類 | USB Type-C |
本体サイズ | カメラ:横94mm x 縦52mm x 厚み22mm(レンズ込み:厚み26.8mm) ビューア:横97.2mm x 縦52.8mm x 厚み47.6mm |
重量 | カメラ:160g ビューア:114.65g |
QooCam EGOの外観デザイン
パッケージ内容
- QooCam EGO 本体
- バッテリー
- 3Dビューワ
- 自撮りミラー
- USB-C to USB-Aケーブル
- ポーチ
- ストラップ
- クリーニングクロス
- マニュアル類
QooCam EGOのデザイン
まずはQooCam EGOのカメラ本体デザインを見ていきます。
カメラ本体は滑りにくいラバー素材で、GoProなどのアクションカメラのような質感に近く、実際に触ってみた質感は非常に高い。
この手のボディ素材は、水や汚れ、傷には強いのですが、汚れが目立ちやすく、特にブラックカラーはそれが顕著。
今回送っていただいたカラーはブラックですが、色違いのホワイトカラーもポップできれいなボディです。
サイズ感としては、ぎりぎり手の中に収まるといった感じ。
レンズが左右並んで2つあるのでどうしても横が広くなってしまいますが、横94mm x 縦52mm x 厚み27mmという大きさは十分に小さくて携帯しやすいカメラと言えます。
特徴的なのは、正面に配置されている2つのカメラレンズ。
QooCam EGOは、言わば人間の左右の目のような視差を利用した撮影によって、3Dライクな立体感のある撮影を行います。
センサーサイズこそは1/2インチとGoProと同じくらいですが、レンズの絞り値はF1.8と明るく、暗い場所での撮影にも強い設計。
焦点距離はおおよそ28mmとスマホのメインカメラと同じくらいの広さで撮影ができます。
背面の2.54インチタッチディスプレイの解像度は1660×1440、このサイズのカメラにしては非常に高いです。
というのも、後に紹介する付属のビューワを通してこのディスプレイ上で3D映像を見ることになるので、ディスプレイの性能はとても重要。
本体の大きさに対してディスプレイの小ささが気になりますが、明るさも十分にあって視認性は良く、とても見やすいディスプレイです。
ボディ天面には、電源とシャッターボタン。
その横に本体スピーカーがあります。
正面右側側面のバッテリーカバーを外すと、バッテリー(1,340mAh)とmicroSDカード(最大256GB)、そして充電・データ転送用のUSB-Cポートにアクセスできます。
最初バッテリーカバーの開け方が分からなくて苦戦しましたが、少し下にずらしてからパカッと開くことができました。
バッテリーカバーは水が入らないような設計にしているせいか、かなり硬いので無理して壊さないよう注意。
反対側面には再生ボタンと順送りボタンがあり、ビューワをつけたときの再生操作ができます。
底面には1/4インチのネジ穴があり、自撮り棒や三脚に取り付けて撮影することができます。
QooCam EGOの付属品のミラーは、2つのレンズ中央にマグネットで固定することで、自撮り撮影がしやすくなります。
アナログ感が否めませんが、下手に正面に小さなディスプレイをつけるよりも視認性や使い勝手もいいので、これはとても合理的。
ビューワのデザイン
パッケージに同梱されているQooCam EGOのビューワを見ていきます。
マットな質感のプラスチック製の素材は、ポップでカジュアルな印象を受けます。
こちらは、赤の一色のみ。
覗き窓のレンズ中心から中心まではおおよそ65mm。
この窓からQooCam EGOのディスプレイをのぞくと、3D映像が浮かび上がって見えるという仕組みです。
QooCam EGOとの取付面にはマグネットが仕込まれており、QooCam EGOとぴったり引っ付くようになっています。
またビューワ自体は、除き窓のレンズだけなのでバッテリーなどの充電は不要。
ボタン類はなく、両サイドにQooCam EGO本体と取り付けて固定するための爪のみ
QooCam EGOとビューワを合体
早速、QooCam EGOにビューワを取り付けてみます。
取付はとても簡単で、QooCam EGOとビューワの向きを合わせるだけで、マグネットと側面の爪でしっかり固定されます。
取り外すときは、爪を開いて外すだけでOK。
ちなみに反対方向に取り付けることはできないので、向きを間違えることはありません。
こんな感じで連結することで、撮影した3Dの写真や動画を見ることができます。
ビューワを取り付けた状態でも重量275g程度なので、重さはあまり気になりません。
3D映像のフォーマットにも様々あるようで、QooCam EGOで撮影される3D映像は、左目の画と右目の画を並べて表示する、最も一般的なサイドバイサイド(SBS)のフォーマット。
QooCam EGO単体で写真や動画のプレビューを見ると右側のレンズで撮影したものが表示され、ビューワを取り付けると自動的に3D写真(動画)に切り替わります。
取り付けた時の操作は、QooCam EGO本体の物理ボタンを使うことになります。
ディスプレイ操作ができなくなるので、再生や写真送りはQooCam EGO本体横の物理ボタンで行えます。
実際にビューワで見ているのがこのような様子になります。
ビューワ越しに見る映像はどうしても小さく感じてしまいますが、しっかり奥行きを感じられる3Dの立体映像を見ることができます。
初歩的なことですが、サイドバイサイドの3D立体視を見るためにはしっかり両目で見る必要があります。
最初に妻に見てもらった時に「立体に見えない」と連呼していたのですが、どうやら顕微鏡を見るがごとく片目で見ていたようです。
またQooCam EGOに限ったことではないですが、3Dの立体視が苦手でうまくピントが合わない人は、目の焦点を意識的にゆっくりと前後に動かすことで見えるポイントがつかめるようになります。
寄り目をするイメージで。
またビューワ越しで3D映像を見ながら撮影を行うこともできるので、出来上がりを確認しながら撮影することは可能。
ただし、QooCam EGOのレンズとビューワの方向は90度あるので、ビューワをつけながらの撮影は首が辛いです。
QooCam EGOのレビュー
一般のカメラと同じ感覚で手軽に3D撮影&視聴ができる
QooCam EGOの最大のメリットは、3Dコンテンツの撮影と視聴がひとつで完結できることだと感じます。
そもそも3Dカメラというジャンルは以前からありましたが、あまり世間に浸透しきれていないせいかコンシューマ向け機材は少ない。
3Dコンテンツを視聴するためには3Dメガネのような専用機材を用意する必要があり、視聴側にとってはハードルになってしまいます。
最近ではコンシューマ自身が撮影側にも視聴側にもなり、さらにその体験を共有することが重要とされている風潮。
これまで「撮影」と「視聴」、そして「共有」のそれぞれの敷居が高かった3Dコンテンツを1台で完結できるQooCam EGOは、新しい価値観を生み出せるプロダクトだと感じました。
どんなハイエンドカメラとも違った「立体感」の体験(作例あり)
実際にQooCam EGOをしばらく使っていろいろ撮影してみた感想としては、一般の写真や動画とはまた違った臨場感(まさに立体感)を記録できて、非常に面白い体験でした。
ビューワ越しの立体感を伝えるのは難しいわけですが、作例を少しご紹介。
例えば料理などを写すと、写真では平面だけで表現していたものが奥行きが加わることで、より遠近感が伝わってきて、大きさの表現力が増します。
焦点距離は約28mmと広角気味で、町中の風景を撮影すると、建物や街路樹の影がとてもいい雰囲気で表現できます。
写真の解像度としては片眼で12MP、両眼で24MP。
ビューワでプレビューすると、鮮やかで細かい部分までしっかり表現されていると感じます。
ポケットに余裕で入るサイズ感なので、撮りたいときにサッと取り出せるというのも使いやすい。
お店のディスプレイ商品を撮影してみましたが、あたかも目の前にその商品があるような感覚。
ただし、電源を入れてから撮影開始までやや待たされるのが残念ポイント。
人物撮影であっても、写真とはまた違った意味で生き生きとした立体感が伝わってきて楽しい。
感覚的にはポートレート写真のように、被写体が際立って表現されていると感じます。
動画撮影については最大60fpsまで対応していて、動きのあるものをなめらかな映像で記録することができます。
立ち止まって撮影するのはいい感じでしたが、歩き撮りだと手ブレ具合が少し気になる印象。
のちに紹介するQooCamのスマホアプリから、手振れ補正効果を効かせることが可能で、これを使えばかなり見やすい動画になります。
もしくは、QooCam EGO自体は軽量コンパクトなボディなので、小型ジンバルを使っても十分カバーできそうです。
ポケットに入るサイズのカメラで、ボタンを押して撮影するだけで立体的な3D映像を残せるのは、ただただ楽しい。
ついつい身の回りの物を撮影してしまいます。
今話題のVRやメタバースのような「まるでその空間にいるような」感覚とはまた違って、QooCam EGOの3D映像は「まるで目の前にそのものがあるような立体感(ポートレート感?)」が味わうことができます。
この立体感は、どんな高価な一眼カメラを使っても表現できないものだと感じます。
オートフォーカスにも対応、レスポンスや操作性も上々
QooCam EGOの操作は、GoProのようなアクションカメラに近く、タッチディスプレイで直感的な操作が可能。
電源を入れて、写真モードか動画モードを選択するだけで、あとはシャッターボタンを押せば撮影が開始されます。
撮影の設定項目はあまり多くありませんが、カジュアルに撮影するカメラなので必要十分という感じ。
UIも分かりやすく、スワイプ操作のメニュー切り換えもスムーズに行えるのでストレスは少ないです。
- EV:-2~+2
- フォーマット:JPEG
- タイマー:
- 露出:自動/スポーツ
- FPS:30fps/60fps(動画のみ)
- 焦点距離
また、最新のファームウェア V2.7.10にアップデートすることで、オートフォーカスが使えるようになったのも大きなポイント。
以前までは6段階(接写~無限遠)のざっくりとしたフォーカス範囲を選択するマニュアルフォーカスのみでしたが、画面内の被写体にタップすることで自動でフォーカスを合わせてくれる機能が追加されました。
AFの速度自体はそこまで速くはないですが、小さいディスプレイでマニュアルフォーカスを調整するのはなかなか難しい。
これによって、更に使い勝手がよくなりました。
3Dカメラだからといって操作が難しいことは全くなく、アクションカムを使ったことがあれば簡単に使いこなせます。
世界中のEGO持ちと3D体験を共有できるプラットフォーム
QooCam EGOには3Dコンテンツの共有プラットフォームがあり、撮影したものをアップロードすることで、世界中どこの人でも3D映像を共有することができます(スマホ不要)。
方法はとても簡単で、Kandaoのアカウントを登録後、QooCam EGOから共有したい3Dコンテンツの「シェア」を選択し、共有期間を設定するとPINコードが表示されます。
あとは、他のQooCam EGOからそのPINコードを入力することで、世界中どこからでもアップロードした3Dコンテンツにアクセスできるようになり、ビューワを通してコンテンツを視聴できるようになります。
基本的には期限付きのアップロードですが、コンテンツを端末にダウンロードすることでいつでも見ることができます。
SNS的に使うのもいいですが、特に面白いと思ったのは、このプロモーションCM。
海外にいる娘の挙式に参加できなくなった母が、娘から送られてきたQooCam EGOの動画を見て感動するというお話。
「撮影者と視聴者がどこにいようが、インターネット環境さえあれば、QooCam EGO同士で3Dコンテンツを共有できる」という仕組みは、使い方次第で非常に面白いプラットフォームだと感じました。
スマホアプリを使ってできること
スマホのQooCamアプリを使ってカメラとペアリングすることで、以下の操作ができるようになります。
QooCamアプリのDLはこちらから
- QooCamカメラのリモート操作
- QooCamカメラで撮影した写真・動画の取込
- QooCamカメラから取り込んだデータの編集/書き出し
- 編集のチュートリアルなど
汎用アプリのようなもので、イメージとしてはInsta360アプリやDJI Mimoアプリのような操作感。
アプリから取り込んだQooCam EGOのデータはアプリ内でしか取り扱うことができず、データとして使いたい場合は一度書き出し作業を行う必要があります。
3Dコンテンツについてはサイドバイサイドフォーマットで保存されますが、このアプリを使って別のフォーマットに変換して書き出すことができます。
スマホアプリ以外にも、QooCam公式サイトにはPC用の編集アプリや変換ツールも用意されていて、本格的な3Dコンテンツを編集したい人でもしっかり使えそうです。
用途としては、YouTubeの3Dコンテンツとしてシェアしたり、VRゴーグルを使って更に迫力を楽しんだりすることができます。
カジュアルに3Dコンテンツをシェアしたい人や、しっかり作りこんで共有したい人でも幅広く使える3Dカメラだと感じます。
まとめ:意外とハマる3Dの世界、一台で撮影から視聴まで手軽に楽しめる!
以上、「【QooCam EGO レビュー】3D撮影と視聴が一体化したポケットカメラ」について書きました。
- 3Dの撮影から視聴、そして共有までを1台で完結できるユニークなカメラ
- 軽量コンパクトでどこにでも持っていける
- 美しい解像度で立体感がある3D映像を楽しめる
- 質感が高い
- タッチディスプレイの反応もスムーズ
- 電源投入後から撮影まで少し長い
- ディスプレイがやや小さい
- ボディに指紋や油が目立ちやすい
- バッテリー持ち
QooCam EGOは手のひらサイズのポケットカメラでありながら、臨場感のある3D立体映像を手軽に撮影できる楽しいカメラです。
撮影した映像も付属のビューワを使えばすぐに3D映像を視聴でき、専用のオンライン共有プラットフォームやスマホを使えばすぐに共有することも可能。
コンシューマ向け3Dカメラの選択肢が少ない中、QooCam EGOは今の時代にマッチしたユニークなカメラだと感じました。
気になった人はぜひチェックしてみてください。