”APSCレンズはフルサイズでも使える”のは本当のようで嘘なのか【カメラ雑談02】

”APSCレンズはフルサイズでも使える”のは本当のようで嘘なのか【カメラ雑談02】

レンズにはAPSC用レンズとフルサイズ用レンズがあることを知っていますか?

 

もし既に、

  • APSC用レンズとフルサイズ用レンズの違い
  • レンズのケラレ
  • スーパー35mmモード(ソニー)

などをご存じであれば、そっとブラウザを閉じてもらいたい。

仮に、今現在ソニーのAPSCカメラを使っていてこれからフルサイズへの移行を検討している人、これらのキーワードを聞いて「ナニソレ?オイシイノ?」なんて人(数か月前の私)は是非、というか絶対知っておくべき内容

 

 

特に、はじめての一眼カメラ選びに、”まずは比較的安価なAPSCカメラから試してみて、それから続けられそうならステップアップとしてフルサイズにのりかえよう”と考える人も少なくないはず!

だって、私がそうだったから!

 

そして、”ソニーはAPSCもフルサイズカメラも同じEマウントだから、そのまま使える!”ということを知って、意気揚々とソニーのAPSCカメラ α6300と単焦点レンズを数本買ったわけだが、最近になってフルサイズカメラに移行しようとしたとき、はじめてAPSC用レンズはフルサイズカメラでそのまま使うことはできない事実を知ることとなった。

 

 

この記事のポイント

この記事では、私がAPSC用・フルサイズ用レンズを知らずに購入してしまった失敗談を元に、「APSC用レンズとフルサイズ用レンズの互換性の話」なんかをしたいと思う。

これからカメラやレンズ選びをするときに、

「本当に、そのAPSC用レンズでいいんですかぁ?」

と改めて確認してもらいたい。

 

【カメラ雑談】について

子供が生まれたことがきっかけで、「カメラ」にハマってしまったガジェットオタクの私が、カメラについて勉強する中で得た情報などを発信する

カメラの知識が全くなかった過去の私自身に向けてのレクチャー的な内容でもある。

浅はかな知識を基に、偏見まみれで偏った内容もあるかもしれないが、それは大目に見ていただくとして、興味のある内容だけ楽しんでもらえれば幸いである。

 


APSCレンズもフルサイズで使える「本当の話」

APSC用レンズでもフルサイズカメラで使うことはできる

フルサイズカメラにAPSCレンズを取り付けることは可能

フルサイズカメラにAPSCレンズを取り付けることは可能

結論から言えば、

マウントを合わせれば、APSCレンズでもフルサイズボディで使うことはできる。

 

マウントというのは、レンズとボディの結合形状みたいなもので、各カメラメーカーごとに異なっていたり、同メーカーでもカメラごとで異なっていたりする。

SONYでいうとEマウントは、α7系やα9系のフルサイズカメラとα6000系のAPSCカメラの両方に採用されているので、

  • APSCレンズをフルサイズボディで使える
  • フルサイズレンズをAPSCボディで使える

ということになる。

 

 

メーカー別レンズマウントまとめ

ここで、各カメラメーカーの主要レンズマウントの一覧をまとめておく。

メーカー別主要レンズマウント一覧
メーカー センサーサイズ
ラージ フルサイズ APSC マイクロフォーサーズ
ソニー - Eマウント(ミラーレス)
Aマウント(一眼レフ)
Eマウント(ミラーレス)
Aマウント(一眼レフ)
-
キヤノン - RFマウント(ミラーレス)
EFマウント(一眼レフ)
EF-Mマウント(ミラーレス)
EF-Sマウント(一眼レフ)
-
ニコン - Zマウント(ミラーレス)
Fマウント(一眼レフ)
Zマウント(ミラーレス)
Fマウント(一眼レフ)
-
フジフィルム Gマウント(ミラーレス) - Xマウント(ミラーレス) -
ペンタックス - Kマウント(一眼レフ) Kマウント(一眼レフ) -
オリンパス - - - M4/3システム(ミラーレス)
パナソニック - Lマウント(ミラーレス) - M4/3システム(ミラーレス)
シグマ - Lマウント(ミラーレス) - -
ライカ Sマウント(一眼レフ) Lマウント(ミラーレス) Lマウント(ミラーレス) -

キヤノンやニコンなど、昔から一眼レフカメラを作ってきたメーカーには、多くのカメラによって多くのマウントがあるようでかなり複雑。

 

その点、確かにソニーだと、フルサイズもAPSCもEマウントだけだから、シンプルで分かりやすい。

 

そして、シンプルだからこそ、初心者にとってフルサイズとAPSCレンズの違いの罠があるということに気付きにくいというのも事実…。

 

マウントアダプタを使えば別マウントのレンズが使える

別マウントにあるレンズを使いたいという場合、「マウントアダプタ」を介せばメーカーを跨いでレンズを使いまわすということも可能。

ただし、マウント径の制約や電子接点がなくオートフォーカスが使えなくなるなどのデメリットもあったりする。

 

このあたりの話はまた別の機会でまとめたいと思う。

 

APSCレンズもフルサイズで使える「嘘の話」

では、ここからがうその話。

実は、同じマウントのレンズでも、APSC用とフルサイズ用それぞれのレンズがあるのだ。

 

APSC用レンズとフルサイズ用レンズは別物

見た目ではわからないAPSC用とフルサイズ用レンズ

見た目ではわからないAPSC用とフルサイズ用レンズ

カメラに詳しい人なら「当たり前だ」と思われるかもしれないが、少なくとも私はちょっと前まで知りませんでしたよ。

てっきり、Eマウント用のレンズは1種類しかなくて、APSCでもフルサイズでも問題なく使えるものだと思っていた。

 

よくよく調べてみると、Eマウント用のレンズには、フルサイズ用のFEレンズとAPSC用のEレンズという二種類があるようだ。

  • フルサイズ用Eマウントレンズ ⇒ FEレンズ
  • APSC用Eマウントレンズ ⇒ Eレンズ

 

そもそもレンズマウントというのは、結合部の形状であるので、同じソニーのEマウントである限り、

「FEレンズをAPSCカメラに、Eレンズをフルサイズカメラに取り付けられる」

という意味では正しい。

 

ではなぜ、APSCレンズはフルサイズカメラで使えないのかというと、APSCレンズはAPSCのセンサーサイズに合わせたレンズ設計になっていることが理由になる。

 

APSCレンズがフルサイズカメラで使えない理由

結論を言えば、

「APSCレンズはフルサイズで使えないこともないが、制限がある」

 

APSCレンズは、約23.6mm×15.8mmというAPSCのセンサーサイズに光を届けるために設計されている。

このレンズを、約36.0mm×24.0mmというより大きいフルサイズのセンサーで使おうとすれば、その一部にしか光を届けることができない。

APSC用レンズがフルサイズカメラでケラレる原理

APSC用レンズがフルサイズカメラでケラレる原理

APSCレンズをフルサイズカメラで使うと、レンズによって届けられる光の範囲(イメージサークル)よりもセンサーサイズが大きくなってしまうことになる。

よって、センサーの外周部分には光が届かず、写真にはこのように黒く写ってケラレてしまうのだ。

APSC用レンズをフルサイズカメラで使うと周囲が黒くケラレる

APSC用レンズをフルサイズカメラで使うと周囲が黒くケラレる

 

スーパー35mmモードの弱点

そこでソニーのフルサイズカメラには、これを打開してくれる機能「スーパー35mmモード」という便利機能があり、これを使えばフルサイズカメラにAPSCレンズを装着しても、四隅がケラレることは無くなる

スーパー35mmモードの原理

スーパー35mmモードの原理

が、ここでまた別の問題が発生してしまう。

ソニーのフルサイズミラーレスにはスーパー35mmモードがある

ソニーのフルサイズミラーレスにはスーパー35mmモードがある

APSCレンズをフルサイズカメラで使う際に、ソニーのカメラだと「スーパー35mmモード」を使うことで、外周がケラレることなく撮影することができるけど、

気を付けないといけないことがある。

スーパー35mmモードのデメリット

  • 画素数が減ってしまう
  • 画角が変わってしまう

 

画素数が減ってしまう

先ほど述べたソニーのスーパー35mmモードを使えば、写真の四隅がケラレることなく撮影することができるが、それと引き換えに「写真の画素数が減ってしまう問題」が発生する。

これは、フルサイズセンサー内に届いた光の範囲=APSCセンサーサイズの部分を拡大(クロップ)することで、あたかもケラレていないように見せているから。

つまり出力される写真は、APSCのセンサーサイズ範囲のみの画素数になってしまう。

 

スーパー35mmモードで画素数が減る

  • フルサイズ 24M相当 ⇒ APSC 10M相当
  • フルサイズ 61M相当 ⇒ APSC  26M相当

 

α7R系の超高画素系の強みはここにあり、たとえクロップしたとしても26M相当と十分な画素を得られているので、写真は十分に高画質のまま。

だがしかし、私が使っているα7Cでは24M相当 ⇒ 10M相当まで減ってしまい、ちょっとでも拡大するとその粗さが気になってしまう。

 

画角が変わってしまう

また、スーパー35mmモードはセンサーの中央部をクロップすることになるので、画角が変わってしまうことになる。

本来はもっと広角に写るはずだが、画角が狭くなってしまう

本来はもっと広角に写るはずだが、画角が狭くなってしまう

スーパー35mmモードで画角が変わる

  • フルサイズ 20mm ⇒ APSC 35mm
  • フルサイズ 35mm ⇒ APSC 52.5mm
  • フルサイズ 50mm ⇒ APSC 75mm

 

例えば広角20mmの単焦点レンズを使いたい場合、スーパー35mmモードで使用すると焦点距離35mmとなり、自撮りをするにはちょっと狭い画角になってしまう。

 

センサー別レンズまとめ

ここで、各カメラメーカーのセンサー別レンズ名を整理しておく。

また、サードパーティー製のレンズには固有の表記があったりするので、レンズ購入時には対応センサーサイズを確認することを強くお勧めする。

メーカー別主要レンズマウント一覧
メーカー センサーサイズ
ラージ フルサイズ APSC マイクロフォーサーズ
ソニー - FEレンズ(ミラーレス)
Aレンズ(一眼レフ)
Eレンズ(ミラーレス)
Aレンズ(一眼レフ)
-
キヤノン - RFレンズ(ミラーレス)
EFレンズ(一眼レフ)
EF-Mレンズ(ミラーレス)
EF-Sレンズ(一眼レフ)
-
ニコン - Zレンズ(ミラーレス)
FXレンズ(一眼レフ)
Zレンズ(ミラーレス)
DXレンズ(一眼レフ)
-
フジフィルム Gレンズ(ミラーレス) - Xレンズ(ミラーレス) -
ペンタックス - Kレンズ(一眼レフ) Kレンズ(一眼レフ) -
オリンパス - - - M4/3システム(ミラーレス)
パナソニック - Lレンズ(ミラーレス) - M4/3システム(ミラーレス)
シグマ - Lレンズ(ミラーレス) - -
ライカ Sレンズ(一眼レフ) Lレンズ(ミラーレス) Lレンズ(ミラーレス) -

 

APSCカメラでも最初からフルサイズ用レンズを買うべきか?

「APSC用レンズでもフルサイズカメラで使えますよぉ」と言われ、単焦点レンズを数本買った私が、いざフルサイズカメラに乗り換えてみると「使いにくいし、結局使えないじゃん!」と半分泣き寝入り状態。

 

確かに使えないことはないが、あまり積極的に使いたいとは思えない。

やっぱりフルサイズカメラにはフルサイズ用レンズじゃないとダメなんだと身をもって感じた。

 

じゃあ、これを避けるためにどうすればよかったのかというと、ひとつの選択肢として「最初からフルサイズ用レンズを買うこと」が考えられる。

もちろん、APSCカメラに対して、それより大きなフルサイズレンズを使えばケラレなんて問題は全くないわけだ。

 

しかし、最初にAPSCカメラを買う人って、どっちかといえば「カメラを続けていくかわからないから、まずは比較的お手頃なAPSCシステムから初めて、ハマってきたらフルサイズも検討する」という道が多いと思う。

そういう人にとって、最初から高価なフルサイズ用レンズを買うのには抵抗があるはずだ。

 

もし当時の私が、「APSCレンズをフルサイズカメラで使うにはいくつか制限がある」という事実を知っていたとしても、「最初だし、まずは安めのAPSCレンズで試してみよう」という判断をするかもしれない。

 

もしそうだとしたら、まずはAPSCボディ+APSCレンズから初めて、後々フルサイズボディ+フルサイズレンズに移行することは、自然な流れなのかもしれない。(もしくは、ソニーの販売戦略に上手くのっかってしまっているのかも)

 


まとめと教訓

今回は、私がAPSCカメラからフルサイズに移行しようとした際にレンズの互換性を考えてなかったという失敗談を通して、レンズの互換性についての話をした。

 

ただ、今回の失敗(?)で得られた教訓として、

  • 早とちり&衝動買いでレンズを買うな。
  • フルサイズ移行(もしくはマウントの変更)をするなら、できるだけ早い段階で。

の2点。

 

特に、私のように「熱しやすく、冷めやすい」人は要注意。

「一眼カメラすげぇ!単焦点すげぇ!」と早い段階からのめり込んでしまい、APSCレンズを色々揃えた上で、「さて、フルサイズだ!」なんて思うと、せっかくそろえたレンズを手放すことになってしまう。

 

本当に必要なレンズなのか?本当に必要なカメラなのか?

 

熱くなりながらも冷静に判断したいものだ(と、自分に言い聞かす)。

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